熊谷組 様 / 既製CADで埋まらない3つの空白
実装イメージ(PoC想定) Peace Flat System
PACKAGE-FIRST / 当社の立ち位置

パッケージで足りる部分は、パッケージで。
当社は「既製品では埋まらない3点」だけをお引き受けします。

御社の6要件のうち、②クレーン荷重表の参照・④DWG出力・⑥導入環境は、既存の ARES Commander や国産の重機配置ソフトですでに満たせます。当社が新しく作る必要はありません。
一方で ①AIによる自動作図・③条件変更からの複数案生成・⑤社内標準に沿ったレイヤー整理 の3点は、国内外どの製品も単体では提供していません。この3点だけを、御社の既存資産(ARES+DWG運用)の上に載せるのが本提案です。

だから本デモは「CADの全機能」ではなく、空白の3点=3画面だけをお見せします

6要件 × 既製パッケージの充足状況

2026年7月 各社公式サイト調査
1

AIによる施工ステップ図の自動作図

テキスト指示から図を起こす製品は建設分野に存在せず。

空白
2

過去図面・定格総荷重表の参照

GLOOBEはExcel荷重表を読込。3D Lift Planは1,700機種DB。

既製品で充足
3

条件変更 → 作業半径 → 複数案の再作図

半径計算はできるが、案の自動生成・比較は人が手作業。

空白
4

編集可能なCADデータ出力

ARES CommanderはDWGネイティブ。御社の全社標準。

既存資産で充足
5

社内標準レイヤーへの自動整理

汎用のレイヤー機能はあるが、社内規約への自動適合はなし。

空白
6

Windows・5〜20名・国内サポート

ARESは国内代理店・日本語サポートあり。永続ライセンス可。

既存資産で充足
調査結論(提案書 詳細版に根拠を記載)
「テキスト指示 → 施工ステップ図の自動作図 → 作業半径の判定 → 編集可能なDWG出力」を1製品で通しで満たす既製パッケージは、2026年7月時点で国内外に存在しません。GLOOBE・K-D2 PLANNER・3D Lift Plan が謳う「自動」は、いずれも生成AIではなくルールベース/パラメトリックな計算(人がモデルを配置し、荷重表と突き合わせる)です。ここが市場の空白です。

空白を埋める3つの提案 ― カードをクリックすると各デモ画面へ

「本当にAIがCADを動かせるのか?」への答え
2026年4月28日、Autodesk Fusion が Claude の公式コネクタ(MCP)に対応しました。自然言語の指示でCADが実際に動く仕組みは、すでに製品として動いています。当社はこの実機を検証済みです。Fusionは機械設計向けの3D CADであり本件の建設2D図面はそのままでは対象外ですが、同じMCP方式をARESに適用するのが本提案の技術的な裏付けです。
空白① AIによる施工ステップ図の自動作図

AIチャット作図 ― 日本語の指示が、DWGの線になる

左のプリセット指示を押すとデモが進みます。AIは足りない条件を勝手に決めず、質問して確定させます

AI作図アシスタント

ARES 接続中
AI作図アシスタント
施工ステップ図の作成をお手伝いします。工事概要・階数・使用重機をお知らせください。過去の手本図面(12件)と社内レイヤー規約を読み込み済みです。

ARES Commander / 作図キャンバス

縮尺 —
待機中

MCP 実行ログ ― AIがCADに送った操作

画像生成ではなくCAD API操作
// 指示を送ると、AIがCADに発行したコマンドがここに表示されます
ここが要点です。 AIは「図面の画像」を生成しているのではなく、CADのコマンドを1つずつ実行しています。だから結果は最初から編集可能なDWGであり、寸法も座標も後から現場で直せます。画像生成AIとの決定的な違いです。
空白③ 条件変更 → 作業半径 → 複数案の再作図

対話で配置案を複数同時に生成し、定格総荷重表で判定する

1つの指示から重機構成の異なる3案を並列生成。作業半径を変えると定格総荷重表を引き直して吊り可否を再判定します。

AIへの指示

「3階建て鉄骨造・敷地北側のみ道路に接道。最大部材は 12.5t の大梁。クレーン構成の異なる案を3つ出して、吊り可否・負荷率・工期・概算コストで比較して。」
案A / クローラー1台
100t クローラー・ブーム30m・北側配置
作業半径18.0 m
定格総荷重18.6 t
定格荷重(つり具1.2t控除)17.4 t
吊り荷重12.5 t
工期/概算コスト基準 / 基準
負荷率 71.8%
吊り可能
案B / オールテレーン1台
160t AT・東側から離隔配置
作業半径24.0 m
定格総荷重11.9 t
定格荷重(つり具1.2t控除)10.7 t
吊り荷重12.5 t
工期/概算コスト−2日 / +12%
負荷率 116.8%
過負荷 ― 半径21m以内へ
案C / 80t × 2台 相吊り
タンデム・南北から半径14m
作業半径(各機)14.0 m
1台あたり分担荷重6.9 t
定格荷重(80t機・14m)12.8 t
相吊り割増(÷0.8)考慮後8.6 t 相当
工期/概算コスト+1日 / +34%
負荷率 67.2%
吊り可能(要 相吊り計画)

条件を変える ― 案Aの作業半径を動かすと、定格総荷重表を引き直して即再判定

作業半径
18.0 m
定格荷重(つり具控除後)
17.4 t
判定(吊り荷 12.5t)
吊り可能 / 負荷率 71.8%
作業半径定格総荷重つり具控除後負荷率(12.5t)判定
この画面の数値について。 定格総荷重はデモ用の参考値です。実装時は御社が保有する実機の定格総荷重表(Excel)をそのまま読み込みます。AIは案の提示とチェックまでを担い、定格荷重の最終判断と作業計画の確定は有資格者が行う建て付けとします(クレーン等安全規則に基づく運用)。

AIの比較サマリ

観点案A クローラー1台案B オールテレーン案C 2台相吊り
吊り可否不可(半径超過)
負荷率71.8%116.8%67.2%
設置スペース北側に 12m×8m 必要路上占用許可が必要南北2面の確保が必要
概算コスト基準+12%+34%
AIの推奨案A。負荷率に余裕があり接道条件と整合。案Cは案Aが敷地条件で成立しない場合の代替。案Bはブーム長変更か半径21m以内への接近が前提。
空白⑤ 社内標準レイヤーへの自動整理 / 要件④ DWG出力

社内標準に整えて、編集可能なDWGで出す

生成された図形を、御社のレイヤー規約に自動で仕分け。安全確認は人の工程として明示的に残します。

適用前 ― AIが生成した直後の画層

規約違反 4件
0128 要素
Layer164 要素
crane_temp22 要素
dim41 要素
画層「0」に実体が置かれている/命名規則が社内標準と不一致。この整理作業が、現場で最も嫌われる後工程です。

適用後 ― 社内規約に自動仕分け

未適用
右上の「社内標準レイヤーを適用」を押してください

出力前チェック ― AIが下ごしらえし、人が承認する

0 / 4 確認済み
安全に関する当社のスタンス
クレーンの吊り可否判定は、定格総荷重からつり具質量を差し引く明確なロジックで自動化できます。しかしAIに安全の最終決定はさせません。AIの役割は「候補提示とチェック支援」までとし、法令上の判断は有資格者が担う設計にします。ここを曖昧にした提案は、現場で必ず破綻します。

書き出しログ

ARESで開いて編集可能
// 4項目すべてを確認すると「DWGで書き出す」が有効になります
実証 / AIがCADを直接操作する仕組みは、もう動いている

Autodesk Fusion × Claude(MCP 公式連携)

2026年4月28日、Anthropic「Claude for Creative Work」の一環として Autodesk Fusion が公式コネクタに対応。当社で実機検証済みです。

2026.04.28 公式発表

MCP とは ― AIと外部ツールをつなぐ標準規格

1
自然言語で指示

「一辺10cmの立方体を作って」「全24辺に外側3mm・内側1mmのフィレット」と話しかける。

2
Claudeが解釈

指示を、CADが理解できる操作の並び(スケッチ→押し出し→フィレット)へ分解する。

3
MCPサーバーが実行

Fusion内蔵のMCPサーバー(既定ポート27182)がAPIを叩き、実際にモデルを作る。

4
結果を見て対話継続

画面を確認し「もう少し薄く」と修正。作り直しではなく編集が続く。

セットアップは実質2ステップ
Fusion側:環境設定 → 一般 → API →「Fusion MCP Server」をON(チェックボックス1つ)。
Claude側:Claude Desktop のコネクタから Autodesk Fusion を追加し、Autodeskアカウントで認証。
※ Fusionを先に起動しておく必要があります。ブラウザ版 claude.ai では接続できず Claude Desktop アプリが必要。Fusion MCP は有償サブスクに追加費用なしで含まれますが、無料の個人用ライセンスは公式非対応です。

実機検証 ― 4つの実演(成功3・失敗1)

失敗例も含めて共有します
実演1:ピラミッドを作る
「底面10×10cm、高さ10cmのピラミッドを作って」

言葉だけで数十秒で完成。スケッチ→ロフトまでを自動で選択して実行。

学び:単位(cm/mm)を明示しないと取り違える
実演2:枡の24辺にフィレット 最重要
「表示中の全24エッジに、外側3mm・内側1mmのフィレットを」

人が作ったモデルにAIが手を貸す形。自分の設計にClaudeが加勢する「相棒」の使い方が、実務に最も近い。

学び:ゼロから作らせるより、既存モデルへの反復編集が強い
実演3:画像から3D化 ― 失敗
「この犬のバッジ画像と同じ形を作って」

形状の再現は完全に失敗。幾何学的に説明できない有機的な形はAIには渡らない。

学び:形を言葉で順番に説明できるものだけが強い
実演4:3×3キーパッドの複雑構造
「ボトム/スペーサー/キーマウントの3層構造で。不明点は質問して」

アウトラインを詰めて仕様を固めてから着手させると、多層構造まで到達できた。

学び:「不明点は質問して」の一文が精度を大きく変える
プロンプトの3原則(検証から得た実践知)
① 単位を明示する(「10cm」「3ミリ」)/ ② 具体的に言う(「全部丸くして」ではなく「外側3mm・内側1mm」)/ ③「不明点は質問して」と添える(勝手に推測させず仕様を固める)

AIと人の役割分担

AIが担う
  • 反復作業(24辺のフィレット、同種部材の展開)
  • 言葉で説明できる形状の生成
  • パラメータ変更に伴う一括修正
  • APIの記憶と正確な呼び出し
人が担う
  • アイデアの核心と方向性の決定
  • 仕様の確定(AIに推測させない)
  • 成果物のレビューと責任
  • 安全・法令に関わる最終判断

本件(施工ステップ図)への転用 ― 正直に申し上げること

Fusionが「そのまま使える」わけではありません
Fusion は機械設計・製造向けの3D CADです。建設の2D施工ステップ図は本来の対象領域ではありません。またFusionからのDWG書き出しはAutoCAD 2013形式・ペーパースペース配置に限られ、他CADでの完全編集はできません。「Fusionで施工ステップ図を描きましょう」という提案ではありません。
では、何が言えるのか
Fusion×Claudeが実証したのは、「LLMがMCP経由でCADのAPIを直接叩き、画像ではなく実データを作れる」という方式そのものの実用性です。
ARES Commander は AutoLISP・DRX・VSTA(.NET)・COM といった拡張APIを公式に備えています。Fusionで実証された同じ構造を、御社の全社標準である ARES に対して構築する ― これが本提案の中身であり、提案①〜③のデモはその動作イメージです。
業界の流れ(2026年前半時点)
Autodeskは Revit・Model Data Explorer・Fusion Data の公開MCPサーバーを整備中で、AutoCAD 2027にはMCPクライアントを内蔵した Autodesk Assistant が搭載されます。ただしAutoCADに外部AI(Claude)を公式接続する仕組みは、現時点で一般公開されていません。AutoCAD向けの非公式MCPサーバーはOSSとして複数存在します(最も成熟したものはGitHubで388スター、ezdxfによるヘッドレスDXF生成に対応)。ARES専用のMCPは存在せず、そこは当社の構築領域です。
主な出典:Anthropic「Claude for Creative Work」(anthropic.com/news/claude-for-creative-work)/Autodesk Platform Services「Bringing Fusion onto Claude for Creative Work」(aps.autodesk.com)/Autodesk Developer Blog「Fusion MCP Server」(blog.autodesk.io)/Autodesk公式ヘルプ「DWG Export」(help.autodesk.com)/Graebert 開発者向け情報 (graebert.com)/実機検証レポート(note.com/tokyomakers 他)
デモ/実装イメージ | Peace Flat System